8月22日、イギリスのAIスタートアップ企業「Stability AI」が、画像生成AI「「Stable Diffusion」をオープンソース化すると発表してから、新サービスが次々にリリースされている画像生成AIの分野。
今週、またもや「Stable Diffusion」を用いた画像生成AIアプリ『AIピカソ』がリリースされました。同アプリは、先週紹介した、LINEbotを使った『お絵描きばりぐっどくん』の開発者である、西野颯真さん(@nishino_0719)を含めたチームで開発。現在iOS版のみが公開されています(Android版は今後リリース予定)。早速使ってみました。
UIは非常にシンプル。上の検索窓にAIの指示を入力すれば、10秒程度で画像が生成されます。しかし『お絵描きばりっぐどくん』の時は、AIへの指示を入力するのみでしたが、AIピカソにはいくつか機能が追加されています。
さっそくAIに描画してほしいワードを入力して、下の「Create」ボタンで出力しましょう。
まず大きな変更点はここ。お絵描きばりぐっどくんはチャットbotを使用していることからも、1日2枚~5枚程度の枚数制限がありましたが、AIピカソは回数制限なしで使用が可能。20枚以上生成しましたが、今のところ制限らしきものはありません。
「Popular Word」という項目から、他のユーザーが使用した生成ワードが見られるようになりました。自分の画像生成の参考にするというよりは、単に皆のワードが見られて面白いという、エンタメ的な側面が大きいのかもしれません。ただうまく生成するためのコツなどを参考にしてみてもよいかもしれませんね。ちなみにランダム出力も可能なので、とにかくいろいろ遊んでみたいというときもおすすめです。
こちらも便利な機能の1つで、AIで画像生成をするにあたって、最終的な描画イメージを参考資料としてイラストで設定することができます。これまでは構図などもすべてAIへの指示の中で指定する必要がありましたが、なかなかAIがこちらの思惑通りに動いてくれない問題に頭を悩まされました。
何度か試してみましたが、精度は完璧ではないものの便利。設定イラストをAIが完全無視することもあれば、ちょっぴり参考にしてくれることもあるという感じです。AI様はやや気まぐれな性格である様子。ただこれまでは描画してほしいイメージを、言葉でうまくする表す必要があったので便利です。
普通に使うだけでも十二分に時間を潰せてしまうAI画像生成ツールですが、難しいのが画像生成のコツ。技術が進化したとは言え、まだまだ発展途上。AI様に人間がうまく指示を与える必要があります。そこで、いくつかうまくAIに描画してもらうためのコツを挙げたいと思います。
まずは基本的な部分ですが、メインで描画してほしい物と、その修飾語はハッキリわけて記載するのがよいです。例えば、「庭を散歩している犬」であれば、「犬。庭を散歩している。」という風に、メインで描画してほしいものを先頭にして句点で区切り、後に修飾部を持ってくるとうまく描画してくれる気がします。
あとは「画風」や「構図」をきちんと指定するのがよいです。「リアルテイスト」や「デフォルメ」、「現代風」とか「浮世絵風」とか…。当然AIに「人間の常識」は通用しませんので、「一般的にイメージするであろうもの」「行間を読む」などの芸当は不可能。
普段はなかなか意識しないと思いますが、きちんと「画風」「構図」などを指定してあげると、イメージ通りの画像を描画してもらいやすくなります。
「1人で佇んでいる人」「2匹の犬が喧嘩している様子」「10人くらいのランナーがマラソンをしている風景」など、きちんと数を指定することも大切です。例えば、上の画像でも富士山が2つ描画されてしまいました。何度も言いますが、AIに人間の常識は通用しません(笑)「富士山は普通1つである」という、人間界で醸成された常識はないのです。
デザインやイラストなど、いろいろと実用的な分野での活用が期待されるAI画像生成ですが、まずはこんなに近未来的な技術なので、楽しむことが第一。
普通に遊ぶだけでも十分時間をつぶせるのですが、「自分の名前で画像生成してもらう」「ありえない語句の組み合わせを試す(例:「サーモン飛ばし選手権」「ごぼうしばき対決」)」「面白い画風を試す(例:スタジオジブリ風、ディズニー風)」などでも、遊び方が広がります。ぜひいろいろ試して遊んでみてくださいね。