「会社から30分圏内の場所に引っ越したい」、「カフェに行きたいけれど、体力的に徒歩10分が限界…」──日々の生活の中で、そんな風に「特定の場所から、〇分で移動可能なエリアを知りたい」というシーンは多い…とは言いませんが、それなりにあるのではないでしょうか。
そんなときに便利なのが、現在地から「車・自転車・徒歩〇分」のエリアを一発でGoogleマップ上で表示できる「How far can i go?」です。
まずは、私が現在年間300日は利用している「大阪駅」を設定してみようかと思ったのですが、何故かうまく表示されなかったので、まったく利用していない阪急「大阪梅田駅」を設定しました。
エリアを絞るにあたっては、まず交通手段を「徒歩・自転車・車」の3つから選び、所要時間を「1分~30分」から選択します。とりあえず「阪急大阪梅田駅から、徒歩10分でアクセスできるエリア」を絞ってみました。
するとこんな感じ。単純な円ではなく、尖ったりへこんだりとギザギザした形状でエリアが表示されることからも、実際に利用できる道路の形状などが考慮された上で、「徒歩10分」で現実的にアクセス可能なエリアを絞っていることが窺えます。
先ほど話したように、僕は大阪梅田駅を利用しないので今後も役に立つことはあまりなさそうですが、「阪急降りて、10分あればぎりぎりスカイビルの前くらいまではいけるんだぁ」的な発見があり面白いです。左側のエリアが尖っていることからも、グランフロントからスカイビルに続く1本の道路が考慮されていることがわかります(関西人以外はピンとこない話ですみません…)。
先ほどは「徒歩10分」だったのを、「自転車10分」に変えてみると、かなり移動可能エリアが広がりました。こちらもきちんと淀川の存在などが考慮された上で、エリアが絞られていることがわかります。
これまた大阪梅田駅を使わない僕には当分活用するシーンはなさそうな情報ですが、「阪急降りて、自転車で10分あれば地下鉄の天神橋筋六丁目(エリア右上)までいけるんだあ」という発見がありました。電車だと谷町線のホームまで歩いて、そこから2駅なので間違いなく10分以上はかかります。
すごく余談ですが、最近は電動キックボードシェアサービスの「LUUP」が、大阪の都市圏で掲示している駅広告に「行きたいとこ、ナナメばっかりやん」というコピーがありましたが。改めて市街地における自転車の優位性を視覚的にも知ることができました。
大阪市街地の鉄道網が”ナナメ”に弱いことを上手く突いたLUUPの広告 pic.twitter.com/DtYKI253q4
— なのわに (@naniwa_osaka9) March 9, 2024
あとは右側メニューから、徒歩スピードの設定変更(+ダークモードなどのテーマ変更)も可能です。デフォルトは1分あたり80m。歩くのが早い人は100m、ゆっくりな人は60mに設定すると良いよというガイドがありました。
また出力したエリアは、「Save or Share」のボタンから、保存・共有が可能。範囲が指定されたMAP情報がURLで保存・共有できるので、毎回情報を入れなおす必要がなく便利です。
便利な利用シーンの1つとなるのが、開発であるソフトウェアエンジニアのみるみさんの、同サービスを開発する動機にもなったという「引っ越し」。SUUMOなどの不動産サービスでは、地図から物件をピックアップできる機能がありますが、そこと組み合わせて使うことで、「会社から〇分圏内」「学校から〇〇圏内」などに絞って住まい探しをすることが可能です。
また引っ越しに似ていますが、新しく開設するオフィスや、店舗の出店計画を考える際などにも便利そうです。一般的に「最寄り駅から車で10分」を超えると地価が特に安くなる傾向があるので、このサービスで車で10分圏内のエリアを特定した上で、あえてそのエリア外の物件を検討するなどもよい使い方の1つではないでしょうか。
今回は無料で使えるWebサービスのご紹介でした。日常使いするかというと微妙ですが、引っ越しなどで必要になったシーンでは非常に重宝するサービスだと思います。
余談ですが開発者のみるみさんは、新居探しにあたって会社から通勤圏内のエリアを探そうと考えたときに、「特定の場所から、ざっくり“徒歩〇分くらい”の半径をMAP上で考える」しかアプローチ方法がないことに気づき、同サービスを開発したのだとか。
僕のような凡人だと、そのような暮らしの不便は甘んじて受け入れざるを得ないわけですが…自分の力でゴリっと解決してしまえることに、エンジニアという仕事の根源的な強み・魅力を感じますね(笑)